コンサルの人は、どうやって頭の中を整理しているのか。会議で短い時間に要点をまとめる様子を見て、自分とは違う思考回路なのではと感じたことはないでしょうか。
私は元SIerで、今はコンサルの現場にいます。最初は同じように戸惑いました。ただ、やっていたのは特別な才能ではなく、いくつかの型の組み合わせでした。この記事では、その基本を未経験の方にも分かるようにまとめます。
この記事でわかること
- コンサルが使う思考の型の全体像(結論から話す、分解する、仮説で動く)
- MECEやロジックツリーなど6つの基本を、身近な例で理解できる
- 面接(特にケース面接や志望動機)や実務でどう使うかのイメージ
結論:まず結論から、そして分解して、仮説で動く
コンサルの思考は、大きく3つの流れでできています。先に結論を言い、問題を分解し、仮の答えを置いて検証する。この順番です。
個々のフレームワークは、この流れを支える道具だと考えると迷いません。以下で6つを順に見ていきます。まず全体像を下の表で押さえてください。
| フレームワーク | 一言で言うと | 使う場面 |
|---|---|---|
| 結論から話す | 先に答え、後で理由 | 報告、志望動機、面接の受け答え |
| MECE | モレなくダブりなく分ける | 選択肢の洗い出し、分析の切り口 |
| ロジックツリー | 問題を枝分かれで分解 | 原因探し、打ち手の整理 |
| 仮説思考 | 先に仮の答えを置いて検証 | 情報が揃う前に動きたいとき |
| イシューから始める | 解くべき問いを見極める | 作業前の論点の絞り込み |
| So what / Why so | 事実から示唆を取り出す | 分析結果を提案につなぐとき |
すべてを一度に使う必要はありません。まずは「結論から話す」1つだけでも、受け答えの印象は大きく変わります。
結論から話す(PREPと空雨傘)
何か。先に結論を言い、その後に理由と具体例を添える話し方です。PREPは結論、理由、具体例、結論の順を指します。
なぜ効くか。聞き手は最初に結論を知ると、その後の話を整理しながら聞けます。忙しい相手ほど、要点が先にある話を好みます。
使い方の例。空雨傘という型も便利です。空(事実として空が曇っている)、雨(解釈として雨が降りそう)、傘(行動として傘を持つ)の順で、事実から行動まで一本でつなぎます。
MECE(モレなくダブりなく)
何か。物事をモレなく、重複なく分ける考え方です。読みはミーシーです。
なぜ効くか。モレがあると見落とし、ダブりがあると数え間違いが起きます。分け方が正しいと、議論が噛み合います。
使い方の例。顧客を新規と既存で分けると、モレもダブりもありません。年齢を20代、30代、35歳以上のように重ねて分けると危ないので注意します。
迷ったら、まず大きく2つに割ると失敗しにくいです。完璧な分類より、ざっくり正しい分類を速く作る方が実務では役立ちます。
ロジックツリー(問題を分解する)
何か。問題を枝分かれで分解した図です。原因を探すツリーと、打ち手を並べるツリーがあります。
なぜ効くか。大きな問題のまま悩むと手が止まります。分解すると、どこから手を付けるかが見えてきます。
使い方の例。売上が減ったなら、まず客数と客単価に分けます。客数をさらに新規と再来に分け、分けた先で原因を当てにいきます。各段でMECEを意識すると精度が上がります。
仮説思考(先に仮の答えを置く)
何か。情報が揃う前に、先に仮の答えを置いて検証していく進め方です。
なぜ効くか。全部調べてから考えると遅くなります。先に答えの当たりを付けると、本当に必要な情報だけを集められます。
使い方の例。原因はたぶんAと置き、それを確かめるデータだけを見ます。外れたら仮説を差し替えます。外れること自体は失敗ではありません。
仮説は後で直す前提の叩き台です。粗くても早く出して、検証で磨く。この順番に慣れると、仕事のスピードが上がります。
イシューから始める(解くべき問いを見極める)
何か。作業の前に、今本当に解くべき問いは何かを見極める考え方です。
なぜ効くか。解く価値の低い問いにいくら答えても、前には進みません。問いを間違えると、その先の作業がすべて無駄になります。
使い方の例。どう作るかの前に、そもそも作るべきかを問います。考えるべきことと、今は考えなくてよいことを分けるのがコツです。
So what と Why so(示唆を取り出す)
何か。事実からだから何が言えるか(So what)を取り出し、なぜそう言えるか(Why so)で裏を取る往復です。
なぜ効くか。データを並べるだけでは提案になりません。示唆を一段引き上げると、相手の判断につながります。
使い方の例。売上が3カ月連続で減少という事実から、So whatとして主力商品の失速が全体を押し下げていると言えます。さらにWhy soで、その根拠を確かめます。
私がSIerから来て最初につまずいたこと
一番戸惑ったのは仮説思考とスピード感でした。SIer時代の私は、前提や仕様を固めてから動く進め方に慣れていました。
コンサルの現場は違いました。情報が足りない段階でも、まず仮の答えを置いて進めます。最初は、根拠が揃っていないのに結論を出すことに強い抵抗を感じました。
慣れると、仮説は後で直す前提の叩き台だと分かりました。完璧な答えを一度で出すのではなく、粗くても早く出して検証で磨く。この順番に体を慣らすのに、私は時間がかかりました。
SIer出身の強みは、置いた仮説をていねいに裏取りできることだと今は感じています。つまずきの中身と乗り越え方は、別記事で詳しく書いています。
まとめ:型は、使って慣れる
ここまでの6つは、覚えるだけでは身につきません。日々の報告や相談で、実際に使って慣れるものです。
まずは「結論から話す」1つから始めてください。慣れてきたら分解と仮説を足します。型はあなたの思考を縛るものではなく、迷ったときに戻れる足場です。
あわせて読みたい
- 仮説思考でつまずいた体験をもっと詳しく → SIer出身がコンサルで最初につまずく壁(スピード感と仮説思考)
- 思考法の先に何が身につくかを知りたい → コンサルで身につくスキル(成長の中身)
- 転職の全体像を一枚で掴みたい → コンサル転職 完全ガイド(全体像)
無料相談:コンサルの思考法は、独学より人と話す方が早く腑に落ちます。元SIerで現役コンサルの私に、面接や志望動機の悩みをそのままぶつけてください。履歴書不要・完全無料・勧誘なし。

コメントをどうぞ