登録セキスペ(情報処理安全確保支援士・RISS)は取るべき?取ったが更新していない私の本音

14〜22分

リード

情報処理安全確保支援士、通称RISSや登録セキスペ。試験には受かったものの、登録までするか、登録したあと更新を続けるか、迷っている人は多いと思います。

私は現役のセキュリティコンサルタントです。元SIerでインフラとサーバー、セキュリティを担当し、今はコンサルファームに参画しています。この資格を取得しましたが、今は更新していません。

その正直な理由を含めて、取る価値がある人と、登録まではしなくてよい人を分けて書きます。

この記事でわかること

  • 試験そのものの価値と、登録・更新制度のコストを分けて考える理由
  • 登録・更新にかかる費用と時間の目安(2026年時点、IPA等で要確認)
  • 取る価値がある人と、登録まではしなくてよい人の線引き

まず結論。試験は取る価値あり、登録と更新は人を選ぶ

結論から言います。試験合格は多くの人に取る価値があり、登録と更新は人を選びます。

理由はシンプルです。試験は高度試験相当の知識証明として長く効きますが、登録と更新には毎年の講習と費用という維持コストが続くからです。

だから私は、試験には価値を感じて取り、登録と更新は自分の実務に対して割に合わないと判断して外しました。

そもそも登録セキスペ(RISS)とは。試験と登録制度は別物

まず押さえたいのは、試験合格と登録が別物だということです。

情報処理安全確保支援士試験に合格しても、それだけでは「情報処理安全確保支援士」とは名乗れません。合格後に登録申請をして、はじめて名乗れる国家資格になります。

そして登録者には更新制が課されます。毎年の講習などの要件を満たさないと、登録を維持できません。ここが維持コストの正体です。

試験の合格実績そのものは生涯有効です。登録しなくても「試験に合格した事実」は残り、履歴書にも書けます。名乗れるかどうかが、登録の有無で変わります。

試験自体の価値。高度試験相当の知識証明として効く

試験そのものには、しっかり価値があります。

情報処理安全確保支援士試験は、情報処理技術者試験の高度試験に位置づけられる難関です。合格は、セキュリティを体系的に理解している証明になります。

  • 提案書や経歴書で、セキュリティの素養を一目で示せる
  • 入札や契約の要件で、有資格者や合格者が求められる場面がある
  • 学習の過程で、ネットワーク・暗号・法制度まで体系的に押さえられる

私自身、合格に向けた学習で知識の穴が埋まった実感があります。実務でゼロトラストや監査対応を語るときの土台になりました。セキュリティコンサルの仕事の中身は、セキュリティコンサルタントになるには?にまとめています。

登録・更新の維持コストの目安(費用と時間)

結論は、3年でおよそ18万円前後、年あたり約6万円が維持コストの目安です(2026年時点、IPA等で要確認)。

内訳を表にします。金額は目安で、制度改定で変わりえます。

項目費用の目安頻度
登録免許税9,000円登録時に一度
登録手数料10,700円登録時に一度
オンライン講習約20,000円毎年
実践講習約80,000〜160,000円3年に一度

登録の更新申請そのものに手数料はかかりません。負担の中心は、毎年のオンライン講習と、3年に一度の実践講習の費用と時間です。

費用だけでなく、講習の受講時間と日程調整という時間的コストも続きます。働きながらだと、ここが地味に重くのしかかります。

金額と要件は改定が入りえます。負担を軽くするみなし受講などの施策も議論されています。申請前に必ずIPAの公式情報で最新を確認してください。本記事の数値はあくまで目安です。

更新を続ければ、IPAの公開登録簿に名前を載せ続けられる

登録して更新を続けると、IPAが公開する登録者の検索サービスに、自分の氏名などを載せ続けられます。IPAは情報処理安全確保支援士を検索できるサービスを公開しており、手続きなしで誰でも登録者を探せます。

ただし氏名などの掲載は任意で、本人の申請に基づくものと案内されています。掲載を続けたいなら、登録を更新して維持する必要があります。登録を外せば、その掲載も続きません。

私は、この登録簿に名前を載せ続けることに、維持コストに見合うベネフィットを見出せませんでした。名乗りと同じで、今の私の実務では必須ではなかったからです。

検索サービスの仕様や公開される項目、掲載の条件は改定されえます。正確な内容は、申請前にIPAの公式情報でご確認ください。

私が「取得したが更新していない」理由

私は試験に合格して登録もしましたが、今は更新していません。理由は三つあります。

  • 今の案件で「情報処理安全確保支援士」と名乗ることが必須ではなく、実務が肩書より中身で回っている
  • 毎年の講習費用と受講時間が、自分が得るリターンに見合わなかった
  • クラウド資格やPMPなど、他の資格との掛け合わせで十分に差別化できている

合格実績そのものは残りますし、知識が消えるわけでもありません。だから私は、維持コストを払い続ける優先度を下げました。資格を手段として割り切る考え方は、資格の正しい使い方でも書いています。

これは「登録セキスペに価値がない」という話ではありません。私の今の立場では割に合わなかった、という一次情報です。立場が変われば、私もまた登録し直すと思います。

取る価値がある人/登録まではしなくてよい人

結論は、肩書が要件や評価に直結する人は登録まで、そうでない人は合格で止める選択も合理的、です。

登録と更新まで進む価値が高いのは、次のような人です。

  • 公共・金融など、入札や契約で有資格者の配置が求められる案件に関わる人
  • セキュリティ専業で、肩書が信頼や受注に直結する人
  • 会社が登録・更新の費用を負担してくれる人

一方で、合格だけで止めてもよいのは、次のような人です。

  • 費用を自己負担で、名乗る必要が実務で薄い人
  • 他の資格や実績で、セキュリティの素養を十分に示せる人
  • 学習による知識の底上げが主目的だった人

自分がどの資格をどう組み合わせるかで、答えは変わります。IT資格の優先順位は、神IT資格ランキングで整理しています。

RISSの価値は「立場」で変わる|SIer内・コンサル転職・コンサル内

同じRISSでも、どの立場で使うかで価値はまるで変わります。ここからは私の一次情報として、三つの立場で正直に書きます。

一つ目はSIerの中です。ここでは価値が大いにあります。資格を多く持つほど箔がつき、評価やアサイン、顧客への提示で効きます。高度試験相当のセキュリティ知識の証明として、きちんと通ります。

二つ目はコンサルへの転職活動です。ここは労力以上の見返りを期待しにくいのが本音です。資格で下駄を履かせてもらえるわけではありません。ただし、何のために取ったかを語れれば、意味は残ります。

  • 何のために取ったかを語れれば、目的意識の証明になる
  • 実務で発揮した技術力の証明になる
  • 記憶力や適性の証明にもなる

三つ目はコンサルファームに入った後です。ファーム内の政治や評価に、資格が直結することはありません。それでもお客様への安心材料にはなり、無価値ではありません。セキュリティ案件では特にそうです。

最後に効くのは、現場で発揮したバリューです。資格で大きく変わるものではありません。だからこそ私は、立場が変わった今は更新を続けていません。

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本記事の費用・制度・講習に関する数値は、2026年10月時点の公開情報をもとにした目安です。最新かつ正確な情報は、IPA(情報処理推進機構)の公式サイトでご確認ください。特定の資格の取得や登録、更新を勧めるものではありません。

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