この記事は、NEC時代のITインフラ知識の全て(全体マップ)の詳細編、「実戦セキュリティ」です。概念論で終わらせない、インフラ屋としての防御の勘所を、あくまで一例として並べます。
前提:求められる知識は、幅広い
ネットワークやインフラ系のセキュリティ、セキュア開発的な知識、ISMS的な知識まで、幅広く求められます。情報処理安全確保支援士を取れるくらいの知識があると良い、というのが正直なところです。ただし資格取得のコスパは悪いので、資格そのものを取る必要は必ずしもありません。
ウイルス対策・EDR(エンドポイント対策)
- スキャン除外設定をしないと、ファイルを消されたり、システムを止められたり、高負荷になったりする。
- FW機能や振る舞い検知などのオプションが増えている。何が必要かをちゃんと決める。無効で入れて後で有効化するのは難しい。
- 検知の周期、通報の上がり方を確認する。何かが起きた時、何時間後・何日後に気づけるのか、それまでログは残っているのか。
- フォレンジックなどの流れ、連絡手段と内容を、しっかり決めてマニュアル化しておく。
ファイアウォールと、マイクロセグメンテーション
- まず、明示ルール以外がAll DenyなのかAll Acceptなのかを、決めて・確認しておく。
- 業務ごとに必要なポートのみ開ける。サーバごとにも同様にして、横展開を防ぐ。お客様のポリシー感度を確認する。
- 本稼働時に、必要な設定が行われFWが有効になっているかを確認する(後から有効にするのは地獄)。ブロック時の挙動も確認する。
- ログ確認の周期と、それに見合ったログ保管期間が担保されているかを確認する。不正通信を検知した際のアクションを明確化する。
- マイクロセグメンテーションは、仕組みを理解し、提案できるようにしておく。境界防御の終焉と、ゼロトラストへの橋渡しの文脈で語れると強い。
ネットワーク・デバイス制御
- ポート・ファイアウォール・ルーティングは理解必須。スイッチや負荷分散装置などの機器も知っておくと良い。
- セグメントにどんな種類があり、セキュリティレベルや格納情報の重要度がどうか、は理解必須。
- iPhoneなどBYODする場合はMDMを導入する。インストール制限や通報などのポリシー、アカウント制御を組織として考える。
ガバナンスと検証(ISMS・レッドチーム)
- セキュリティチェックは、外部機関の第三者目線で受ける。指摘対応の予算をしっかり取ってスケジュールを立てる。サンプリングの場合は横展開する。
- ISMS:情報資産の所在を明らかにし、定期チェックで漏洩リスクを下げる。適切な保管期間で保管・廃棄する。資産の価値を明確にすると、投資効果も測れる。
- レッドチームテスト:社外ハッカーの侵入を想定して実施する。侵入スキルの高いチームだと、ソーシャルエンジニアリングまでやってくることもある。
現場での一例:「小熊スペシャル」なFW設計
一つ、印象に残っている仕事があります。ネットワーク強靭化のプロジェクトで、Windowsファイアウォールを使って、かなり細かいルールを設計しました。業務ごと・サーバごとに必要な通信だけを丁寧に許可していく、という地道な作業です。
これが「小熊スペシャル」と呼ばれて、東京都のある区の情報システム部長に、大絶賛されました。派手ではないけれど、こういう細部の積み重ねが、結局いちばん効くのだと思います。
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