コンサルの横文字・社内用語 Part2|会議・現場スラング・工数編

15〜22分

リード

会議に入った初日、飛び交う言葉の半分がわからなくて固まった経験はないでしょうか。「そこは握っておいて」「この論点はいったん寝かせよう」「エイヤで数字入れといて」。私も最初の頃は、議事メモを取りながら意味を推測するので精一杯でした。

これらは基本用語集にはあまり載っていません。会議の空気の中でしか出てこない、現場スラングだからです。この記事は、別記事のコンサル業界用語100選のPart2として、会議やアサインまわりでよく飛ぶ言葉を集めました。

この記事でわかること

  • 会議や雑談で急に飛んでくる現場スラングの意味
  • ファームによって呼び方が変わる役職やランクの見分け方
  • まず覚えると会議が一気に楽になる言葉

この記事は用語100選のPart2(続き)です

この記事は、別記事のコンサル業界用語100選のPart2(続き)にあたります。前編では略語やカタカナ語の意味そのものをまとめ、このPart2では会議の場や工数まわりで飛ぶ言葉を扱います。どちらから読んでも構いません。前編にあたるコンサル業界用語100選もあわせてどうぞ。

このPart2で扱うのは、会議でしか出ない場の用語、ファームごとに違う役職、資料づくりのスラング、工数やアサインまわりの言葉です。意味が辞書的に固まっていないものも多いので、現場で実際に使われる形で書きます。

ここで紹介する言葉の多くは、ファームや部門によって細かいニュアンスが変わります。社内限定の造語に近いものは断定を避けています。自分の現場で違う使い方をしていたら、その現場の用法が正解です。

会議や場でよく飛ぶ言葉

まず押さえたいのは、会議そのものを指す言葉です。何の集まりかがわかると、準備も発言のしかたも変わります。

用語 意味 使い方の例
ASM All Staff Meeting。全社員や部門全員が集まる会 「来週のASMで方針の共有があるらしい」
タウンホール 経営陣と社員が直接やり取りする、質疑付きの全体会 「タウンホールで現場の不満をぶつけてみよう」
キックオフ 案件やフェーズの開始時に、目的や体制をそろえる会 「来月頭にキックオフを設定します」
ラップアップ 会議や1日の締めに、決定事項と宿題を振り返ること 「最後に5分でラップアップしましょう」
デイリー/ウィークリー 毎日/毎週の定例ミーティング 「進捗はウィークリーで見ていきます」
空中戦と地上戦 口頭だけで進む議論が空中戦、資料に落とした議論が地上戦 「空中戦になってきたので、一度地上戦に戻そう」

特に覚えてほしいのが、空中戦と地上戦です。議論が口頭だけで空回りし始めたとき、「地上戦にしよう」と言って資料に落とすと、議論が一気に進みます。

役職やランクの呼び方はファームで違う

役職の呼び方は、ファームによってかなり変わります。同じ肩書きでも意味する立場が違うので、相手のファームの呼称を知っておくと会話がかみ合います。

用語 意味 使い方の例
MD マネージング・ディレクター。パートナークラスの上位職 「この案件はMDが提案から入っている」
ED エグゼクティブ・ディレクター。MDに次ぐ上位職として置くファームもある 「EDがレビューに入ると聞いた」
EM エンゲージメント・マネージャー。案件単位の責任を持つマネージャー 「EMにスコープの相談をしておく」
ジュニア/シニア 同じ職位の中での経験の浅い層と厚い層の呼び分け 「ここはシニアに巻き取ってもらおう」

注意したいのは、これらの呼称がファームで共通ではない点です。たとえばアクセンチュアでは、職位をCL(キャリアレベル)という数字で管理しています。CL7やCL8といった言い方をするので、他ファームのマネージャーやシニアと単純には対応しません。

相手のファームのランク体系がわからないときは、無理に自社の肩書きに当てはめず、「役割としては案件の責任者です」のように機能で説明するほうが誤解がありません。

進め方や資料づくりのスラング

一番とっつきにくいのが、仕事の進め方にまつわるスラングです。意味を知らないと指示そのものが理解できないので、優先して覚えたいところです。

用語 意味 使い方の例
握る 関係者と事前に合意しておくこと 「会議の前に、その数字は先方と握っておいて」
寝かせる 結論を出さず、いったん保留にしておくこと 「この論点は情報待ちなので、一度寝かせよう」
エイヤ 細かい根拠を詰めず、概算で思い切って決めること 「初稿はエイヤで数字を置いて、後で精緻化する」
ペライチ 要点を1枚にまとめた資料 「まずペライチで全体像を見せてほしい」
ストローマン/たたき台 議論の出発点として先に出す、粗い初期案 「ストローマンを作ったので、叩いてください」
ボイル・ジ・オーシャン boil the ocean。範囲を広げすぎて収拾がつかない状態への戒め 「それはボイル・ジ・オーシャンだから、論点を絞ろう」

ストローマンは、わざと粗い案を先に出して議論を進める狙いがあります。完璧を目指して出せないより、たたき台を早く出して直すほうが速い、という考え方です。

工数やアサインまわりの言葉

自分の働き方や評価に直結するのが、工数とアサインの言葉です。給与や次の案件の話にもつながるので、意味を正確に押さえておきたいところです。

用語 意味 使い方の例
アサイン 人を案件に投入すること 「来月から新しい案件にアサインされる」
リリース 案件から外れて、次に動けるようになること 「今の案件は来週リリースの予定です」
ベンチ 案件が決まらず、アサイン待ちの状態 「今はベンチなので、次の案件を探している」
ユーティライゼーション/稼働率 自分の時間のうち、案件に使えている時間の割合 「稼働率が低い月が続くと評価に響く」
チャージ 自分の工数を、その案件に計上すること 「この作業はどの案件にチャージすればいい?」
WIP Work In Progress。まだ作りかけで、完成していない状態 「WIPですが、途中版を共有します」

ベンチと稼働率は、コンサルの働き方を理解するうえで大事な言葉です。案件に入れていない時間が続くと評価に関わるため、どのファームでも稼働率は意識されます。

連絡でよく使う略語

チャットやメールの一言に略語が混ざると、慣れないうちは読むのに手が止まります。頻出のものだけ先に覚えておくと、やり取りが速くなります。

用語 意味 使い方の例
FYI For Your Information。参考までに共有する、という前置き 「FYI、先方からこんな資料が届きました」
TBD/TBC TBDは未定、TBCは確認中で、どちらも後で確定する項目 「開催日はTBDなので、確定したら連絡します」
ASAP As Soon As Possible。できるだけ早く 「恐縮ですがASAPでご確認ください」
EOD End of Day。その日の終わりまで 「ドラフトはEODまでに送ります」
COB Close of Business。その日の業務終了時刻まで 「COBまでにフィードバックをお願いします」
nice to have 必須ではないが、あれば嬉しい要素 「この機能はnice to haveなので後回しで」

EODとCOBは似ていますが、EODはその日の終わり、COBは業務終了時刻を指すのが一般的です。相手が海外チームの場合は時差があるので、何時を指すかを一度すり合わせておくと安全です。

まとめ まず握るとペライチから覚える

全部を一度に覚える必要はありません。会議で頻度が高い「握る」「寝かせる」「ペライチ」あたりから押さえると、指示の意味がすぐに取れるようになります。

次に、自分に関わる工数とアサインの言葉です。ベンチや稼働率の意味がわかると、自分の立ち位置や評価の仕組みが見えてきます。略語は使う場面で自然に身につくので、最初は無理に暗記しなくて大丈夫です。

基本の略語やフレームワークは、前編にあたるコンサル業界用語100選にまとめています。前編とこのPart2を合わせて読むと、会議でついていける語彙がだいぶ揃うはずです。

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