部下が潰れかけたとき、SIerの上司とコンサルの上司は、こんなに違った

8〜12分

リード

「頑張れなくなった部下」に、上司がどう向き合うか。——これ一つで、その人のその後は本当に変わります。私は、自分自身がすり減って潰れかけ、適応障害で休職した側でもあり、その後コンサルの現場でマネジメントの近くも見てきました。両方を見たからこそ、”上司の向き合い方”には、はっきりした違いがあると感じています。

先に断っておくと、これは「SIerが悪い、コンサルが良い」という単純な話ではありません。どちらにも、良い上司も、そうでない上司もいます。ここで書くのは、私が実際に経験した一例と、その背景にあると私が感じている”構造の違い”です。

SIer時代——「無理しないでね」は、私には届かなかった

正直に書きます。私の直属の上司は、頑張って動いてくれていました。問題は、その上でした。人員を追加するなど、状況を本当に変えるための手当てが、なかなかされなかった。根っこにあったのは、一人ひとりのメンバーに対する”価値の認識”の低さだったと、今は思います。

「無理しないでね」——そういう声かけは、ありました。でも、正直に言うと、私にはその声かけが無意味に感じられたんです。状況が具体的に変わらないまま「無理しないで」とだけ言われても、追い詰められている側には届きません。やがて「病院に行きな」と言われて受診した結果、適応障害と診断され、休職することになりました。

コンサルの上司は、”解決”をしにきた

コンサルに移ってから、いちばん違いを感じたのはここでした。厳しい状況になったとき、上司が「解決」をしっかりしようとしてくれたんです。まず、適応障害という病気そのものを、自分なりに理解しようとしてくれた。そのうえで、次の動きが具体的でした。

何がどうなったら、どういう状態になるのかを丁寧にヒアリングし、それを数値化して報告するようにしてくれたんです。つまり、感覚の話で終わらせず、上司自身が”コントロールできる形”に落とし込む動きでした。SIer時代との決定的な違いは、「解決と言える状態」を明確にイメージして、具体的な打ち手をクイックに打ってくれたこと。声かけではなく、行動でした。

この違いは、どこから来るのか

もちろん、SIerにも人を大切にする上司はいますし、コンサルにもドライな人はいます。そのうえで、私はこの違いを、SE(SIer)とコンサルという仕事の性質の差から来ていると捉えています。あくまで私が感じている傾向として、読んでください。

コンサルは、目的意識・課題解決意識・問題を構造化する習慣・行動力・行動スピードが、良くも悪くも徹底されています。だから、人の問題に対しても「じゃあ何をどう解決するか」と、しっかり動く。仕事のやり方が、そのまま部下への向き合い方にも出るんだと思います。

そしてもう一つ大きいのが、「社員一人ひとりが資本だ」という意識の強さです。人そのものが商品であるビジネスなので、部下を守ろうとするインセンティブが、構造的に強く働く。逆に言うと——ぶっちゃけた話ですが——SIerは、部下が一人潰れても、案件自体は動き続けてしまう。この構造の差は、想像以上に大きいと感じています。

もし今、あなたが潰れかけているなら

ここだけは、はっきり伝えさせてください。あなたが弱いのではありません。環境とあなたの間に無理が生じている、そのサインです。上司や環境は、変えられることもあります。そして、もし変えられないなら——環境そのものを変える(=転職する)のも、逃げではなく立派な戦略です。

私自身、一度立ち止まって休職し、そこから環境を選び直してキャリアを再起動しました。その経緯は、適応障害で立ち止まった僕が、キャリアを「再起動」できた理由に書いています。

まとめ:上司は選べないが、環境は選べる

上司は、自分では選べません。でも、どんな環境に身を置くかは、選べます。もし今の場所で、頑張れない自分を責め続けているなら——それはあなたの問題ではなく、環境との相性の問題かもしれません。まずは健康を取り戻すこと。そのうえで、次にどんな環境を選ぶかを、落ち着いて考えていきましょう。

※ もし今、強い落ち込みや心身の不調が続いているなら、キャリアの話の前に、専門家(医療機関や公的な相談窓口)に頼ることを何より優先してください。

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