クラウド資格はどれから取る?AWS・Azure・GCPの取得ロードマップ|元SIerの順番論

15〜23分

リード

クラウドの資格を取ろうと決めても、AWSとAzureとGoogle Cloudのどれから始めるかで手が止まります。レベルも入門から上級まであり、順番を誤ると時間も受験料も無駄になります。

私は元SIerでインフラとサーバーを担当し、今はコンサルファームに参画しています。AZ-104やGoogle Professional Cloud Architectなど、複数のクラウド資格を実際に取ってきました。

その経験から、どれを、どの順番で取るのが効率的かを、フラットに整理します。

この記事でわかること

  • AWS・Azure・Google Cloudのどれから始めるかの決め方
  • 入門から中級へ、レベル別と職種別のおすすめ取得ルート
  • 難易度と学習時間の目安、資格が実務と転職にどう効いたか

クラウド資格は「入門1枚、本命1枚、掛け算」の順で取る

結論から言うと、入門を1枚、本命の中級を1枚、そこに別分野を掛け合わせる順番が効率的です。

最初から上級や複数クラウドを狙うと、挫折しやすく費用もかさみます。使う場面があるものから、1枚ずつ取るのが基本です。

最初はどのクラウドから始めるか

最初に選ぶクラウドは、今の仕事か転職先で使う可能性が高いものにします。これが遠回りしない一番の近道です。

国内の案件数ではAWSが広く、企業システムはAzure、データや機械学習はGoogle Cloudが強い傾向です。迷うならシェアの広いAWSかAzureが無難です。

クラウド強い領域の傾向こんな人向き
AWS国内外でシェアが広く案件数が多いまず王道から入りたい
AzureMicrosoft製品や企業システムとの連携社内がMicrosoft中心
Google Cloudデータ分析や機械学習データ系に進みたい

資格は別として、各クラウドの違いは語れるようにする

資格を取るかどうかとは別に、3大クラウドの違いを自分の言葉で語れると、提案の現場で効きます。「御社の状況ならどれが向くか」を一言返せると、話の信頼感が一段上がるからです。

AWS・Azure・Google Cloudの大づかみの強みは、前の表のとおりです。細かい機能まで覚える必要はなく、傾向を語れれば十分です。AWSはシェアが広く守備範囲が広い、AzureはMicrosoft製品や企業システムと相性が良い、Google Cloudはデータ分析や機械学習に強い、という程度の目安で構いません。

3大クラウドの外では、OracleのOCIも意外とバカにできません。Oracleデータベースとの相性やコスト面で選ばれる場面があり、特徴の目安だけでも知っておくと提案の幅が広がります。

アリババクラウド(Alibaba Cloud)は「5大クラウド」に数えられることがあります。ただ私は日本の案件で見たことがなく、学習の優先度としては捨てて構わないというのが正直なところです。

資格のレベル構造を押さえる

3クラウドとも、入門、中級、上級の3段で設計されています。入門で用語、中級で設計、上級で高度な専門が目安です。

まずは入門と中級の2段を押さえれば十分です。上級は実務で深く触れてから検討します。

レベルAWSAzureGoogle Cloud
入門Cloud PractitionerAzure Fundamentals(AZ-900)Cloud Digital Leader
中級Solutions Architect AssociateAzure Administrator(AZ-104)Associate Cloud Engineer
上級Solutions Architect ProfessionalSolutions Architect Expert(AZ-305)Professional Cloud Architect

入門はどの1枚を取るか

クラウドをほとんど触ったことがないなら、入門を1枚だけ取ります。用語と全体像が一気に整理されます。

始めるクラウドのものを選べば十分です。AWSならCloud Practitioner、AzureならAZ-900が入口になります。

すでに実務で触っている人は、入門を飛ばして中級から入っても構いません。

中級の本命はどれを取るか

中級は資格の本命で、転職でも一番見られる層です。ここは職種に合うものを1枚選びます。

インフラ寄りならアーキテクトやアドミニストレータ系、開発寄りならデベロッパー系が目安です。

職種別のおすすめルート

職種によって、取るべき中級が変わります。自分の立ち位置に近い行を基準にしてください。

職種入門本命の中級次の一手
インフラいずれかの入門1枚AWS SAA か AZ-104セキュリティ系の資格
アプリ開発いずれかの入門1枚AWS Developer か AZ-204専門分野の資格
PM・PMOAZ-900など1枚AWS SAAなど1枚PMPと掛け合わせ
コンサル1枚で全体像案件で使うクラウドのAssociate業務知識と掛け合わせ

難易度と学習時間は、あくまで目安

難易度も学習時間も人によって差が大きく、ここは全て目安です。料金や有効期限も変わりやすいので、受験前に公式で確認してください。

レベル学習時間の目安受験料の目安有効期限の目安
入門20〜40時間1万〜1.5万円2〜3年(Azure入門は無期限)
中級60〜120時間2万〜2.5万円2〜3年
上級120〜200時間4万〜5万円2〜3年

有効期限は更新(再認定)で延長できます。Azureの役割ベース資格は、1年ごとに無料のオンライン更新がある点が特徴です。

資格は実務と転職でどう効いたか

私はAZ-104とGoogle Professional Cloud Architectを取りました。効いたのは資格そのものより、取る過程で全体像を言語化できたことです。

提案やアーキテクチャ検討の場で、クラウドの話に臆せず入れるようになりました。転職の書類でも、守備範囲を一目で示せたのは確かです。

ただし資格だけで転職が決まるわけではありません。見られるのは、その知識を使って何をしたかです。

取った資格の価値は「立場」で変わる|SIer内・コンサル転職・コンサル内

同じ資格でも、どの立場から見るかで価値は大きく変わります。私はSIerの中、コンサルへの転職活動、コンサルファームの中の3つで、その差をはっきり感じました。

SIerの中では、資格の価値は大いにあります。資格を多く持つほど箔がつき、評価やアサイン、顧客への提示で効きます。手を挙げたい案件があるとき、資格が後押しになった場面が何度もありました。

一方でコンサルへの転職活動では、労力に見合う見返りは期待しにくいです。資格で下駄を履かせてもらえることは、まずありません。ただし取った事実は、語り方しだいで証明の材料になります。

  • 「何のために取ったか」を語れれば、目的意識の証明になる
  • 実務でどう発揮したかを話せれば、技術力の証明になる
  • 短期で取り切った事実は、記憶力や適性の証明になる

コンサルファームの中では、資格はファーム内の評価や政治には直結しません。昇進や立場を資格が動かす場面は、ほとんど見ません。

ただしお客様への安心材料にはなり、無価値ではありません。最後は現場で発揮したバリューが全てで、資格で大きく変わるものではないというのが正直なところです。

まとめ:順番は「使うものから、1枚ずつ」

順番の結論は、使うものから1枚ずつです。入門で全体像、中級で本命、その先は別分野と掛け合わせます。

コレクターにならず、必要なものを戦略的に取るのが、遠回りしないコツです。

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この記事の試験制度・料金・有効期限は、執筆時点の公開情報をもとにした目安です。認定の名称や料金、更新ルールは変更されることがあります。受験や申込みの前に、必ず各クラウドの公式サイトで最新の情報を確認してください。特定の資格や講座の受講を勧めるものではありません。

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