VMware VCP(仮想化資格)は今も価値があるか|現役取得者がBroadcom後の市場でフラットに考える

21〜31分

リード

VMwareのVCPを持っているけれど、クラウド全盛の今、この資格にまだ意味はあるのか。そう感じている方は少なくないと思います。Broadcomによる買収のあと、ライセンスも認定制度も大きく動き、不安はさらに増したはずです。

私は元SIerでインフラとサーバー、つまり仮想化基盤の構築運用を担当し、今はコンサルの現場にいます。VCP-DCV(Data Center Virtualization)の保有者です。ただ正直に言うと、私自身はこの資格を取って役に立ったと強く言えるわけではありません。その本音も含めて、仮想化スキルと資格の今の価値をフラットに書きます。

この記事でわかること

  • Broadcom買収のあと、VCPと仮想化資格の制度がどう変わったか(2026年時点の目安)
  • 仮想化スキルがクラウド時代でも残る、実務上の価値
  • VCPを取る意味がある人と、薄い人の線引き(現役取得者の本音つき)

結論:価値が出るのは、目の前の現場がVMwareを使っているときだけ

結論から言うと、VCPは万人向けの資格ではありません。価値がはっきり出るのは、目の前の現場やお客様が実際にVMwareを使っている場合に限られます。

正直な実感を先に書きます。私がコンサルの現場で大規模なお客様を相手にしていると、VMwareという名前を聞くことはほとんどありません。大規模案件はクラウド中心で、VMwareの話題にそもそも出会わない、というのが私の肌感覚です。

一方で、仮想化そのものが消えたわけではありません。オンプレやプライベートクラウドでは今も動いています。だから、目の前のお客様がVMwareを使っているなら、そこで初めて取得を検討する。それくらいの距離感がちょうどいいと思っています。

この記事では、制度の変化、実務価値、向き不向き、そして私の本音の順でフラットに整理します。

そもそもVCPとは何か|Broadcom買収後に変わったこと

先に要点です。VCPはVMware製品の実務スキルを証明するベンダー資格で、代表格がVCP-DCV(Data Center Virtualization)です。ただし2023年のBroadcomによる買収のあと、ライセンスも認定制度も大きく動いています。

  • ライセンス:永続ライセンスが実質廃止され、サブスクリプション中心へ(2023年末の発表が起点)。一部の顧客でコストが大きく上がったとの報道もあります(2024年時点の報道。上げ幅は契約で大きく異なるため、ここでは断定しません)。
  • 認定制度:2024年頃に、VCP受験時の必須トレーニング要件が撤廃され、受験料の体系も見直されました(目安)。
  • 有効期限:VMware認定は以前から有効期限が撤廃されており、取得済みの資格は原則そのまま有効です(時点の制度。更新の要否は公式で確認を)。
  • トラック再編:2025年時点で、認定の軸がVMware Cloud Foundation(VCF)やvSphere Foundation(VVF)を中心にした職務別の体系へ移りつつあります。従来のVCP-DCVという名称は認定パスから姿を消しつつあり、試験コードも更新されています。

制度は流動的です。VCP-DCVで検索して出てくる旧情報と、今の試験コードがずれていることが多いです。受験を考えるなら、必ずBroadcomの公式認定ページで現行の試験コードと要件を確認してください。本記事の制度情報は2026年時点の目安です。

仮想化スキルの実務価値は、クラウド時代でも消えていない

結論、仮想化の実務スキルは今も需要があります。クラウドが広がっても、その土台は仮想化だからです。

パブリッククラウドの中身も、突き詰めれば巨大な仮想化基盤です。そしてオンプレやプライベートクラウドは、金融や公共、製造などで今も現役です。

私自身、SIer時代にサーバー仮想化の設計構築を担当しました。ホストのサイジング、冗長化、ネットワークとストレージの設計、障害時の切り分け。この勘所は、クラウド移行の提案でもそのまま効きます。

ただし、ここで需要があるのは「仮想化の考え方」であって、VMware製品に固有の操作そのものではありません。私見ですが、両者は分けて考えた方がいいです。

仮想化を分かっていると、クラウドの挙動も腹落ちして理解できます。オンプレとクラウドをまたぐ構成を考えるとき、両方の土台を知っている人は強いです。仮想化の需要が残る代表的な場面を、具体で並べます。

  • オンプレやプライベートクラウドを維持する企業の、基盤運用
  • クラウド移行(リフト&シフト)の現状分析と移行設計
  • ハイブリッド構成やデータセンター集約の提案

VCPを取る意味がある人・薄い人

結論、VCPは仮想化に触れる人には効き、触れない人には薄い、というシンプルな線引きです。

まず、取る意味がある人はこういうタイプです。

  • 仮想化基盤の構築運用に関わる、インフラエンジニア
  • オンプレやプライベートクラウドの案件が多い人
  • VMware製品を扱うSIerやベンダーに所属する人
  • 目の前のお客様が、実際にVMwareを使っている人

逆に、意味が薄い人もはっきりしています。

  • アプリ開発や業務系が中心で、基盤に触れない人
  • 完全にパブリッククラウド専業で、オンプレを扱わない人
  • 大規模案件のように、そもそもVMwareが出てこない現場にいる人
  • 資格の肩書きだけで転職を狙いたい人(これはVCPに限らず効きません)

私見ですが、VCP単体で年収が跳ねることは期待しない方がいいです。効くのは、仮想化の実務にクラウドやセキュリティを重ねた、掛け合わせの中でです。

資格は、実務の裏付けがあって初めて効きます。私は仮想化(VCP-DCV)に加えて、Azure Administrator、GCPのProfessional Cloud Architect、PMP、セキュリティ系を掛け合わせてきました。ただ正直に言えば、この中でVCP単体に強い見返りを感じた記憶はありません。効いたのは掛け合わせ全体の厚みでした、というのが一次体験での実感です。

Broadcom買収後の市場で、これから資格を狙うなら

結論、これから狙うなら、旧VCP-DCVの名称ではなく、現行のVCF/VVF軸のトラックを公式で確認してから選ぶのが安全です。

Broadcom買収のあと、VMwareのコスト上昇を受けて、NutanixやProxmox、Hyper-Vなど他の基盤へ移行を検討する動きも出ています。ただしこれは両論で、置き換えが進む現場もあれば、VMwareを使い続ける現場も多いです。

だからこそ、資格はVMwareに閉じず、仮想化の原理とクラウドの両方を押さえる方向で考えたいです。ベンダーが変わっても、仮想化の設計思想は共通だからです。

これから資格を狙うときの、私なりの考え方を並べます。

  • まずは現行の公式認定パス(VCF/VVF軸)で、今取れる試験コードを確認する
  • VMware固有に閉じず、Hyper-VやProxmoxなど他基盤の概念も押さえる
  • クラウド資格(Azure/AWS/GCP)と掛け合わせて、希少性を上げる

この資格の価値は「立場」で変わる|SIer内・コンサル転職・コンサル内

同じVCPでも、自分がどの立場にいるかで、価値はまるで変わります。ここは私の一次体験で、3つの立場に分けて正直に書きます。

SIerの中にいるうちは、価値は大いにある

結論、SIerの中にいるうちは、VCPの価値は大いにあります。資格を多く持っていると、それだけで箔がつき、昇格や評価の材料になるからです。

正直に打ち明けると、私がVCPを取ったのも、NEC時代の昇格要件のためでした。先に取ったPMPが昇格資格として使えなくなり、その代わりに仕方なく取った、というのが本当の経緯です。

つまりSIerの中では、資格は実力の証明というより、社内の制度を満たす一枚として効く場面が多いです。もちろん仮想化基盤の案件なら、VCPは担当技術者のスキルを裏づける一行にもなります。

社内で効く場面は、だいたいこの3つです。

  • 社内評価やアサインを決めるときの、分かりやすい材料
  • 顧客提案で、担当技術者のスキルを裏づける一行
  • 仮想化基盤の実力を、第三者の基準で示す証明

コンサルへの転職活動では、労力以上は期待しにくい

結論、コンサルへの転職活動では、資格はかけた労力以上の見返りを期待しにくいです。資格があるからといって、選考で下駄を履かせてもらえるわけではありません。

コンサルが見るのは、地頭と論理、そして実務で何を成したかです。資格の肩書きだけで評価が動くことは、ほぼありません。

ただし、まったく無意味でもありません。「何のために取ったか」を自分の言葉で語れれば、次のことの証明になります。

  • 目的を決めて動ける人だという、目的意識の証明
  • その技術を実務で発揮してきたという、技術力の証明
  • 難関を通し切る、記憶力や適性の証明

つまり効くのは資格そのものより、取った理由と使った実績を語れるかどうかです。

コンサルファームの中では、名前すら出てこないことが多い

結論、ファームに入ったあとは、VCPが社内の評価や政治に直結することはありません。中で効くのは、案件で出したバリューだからです。

正直に言うと、大規模なお客様の案件にいると、VMwareという名前を聞くこと自体がほとんどありません。話の中心はクラウドで、VMwareの話題にそもそも出会わない、というのが私の実感です。

私はVMwareの案件に参画したこともあります。ただ、そこで資格が役に立ったという実感は、正直ありませんでした。キーワードを多少語れてよかった、という程度です。

もちろんこれは、私の立場と経験の範囲での話です。VMwareを日常的に扱う現場なら、VCPはもっと素直に効くはずです。お客様から見れば、担当者が資格を持っていること自体は一つの安心材料にもなります。

最後に効くのは、現場で発揮したバリューです。資格はその入り口を少し広げる程度、と考えておくのがちょうどいいです。

まとめ|仮想化スキルは残る、資格は手段として割り切る

仮想化スキルそのものは、クラウド時代でも消えません。土台だからです。

ただしVCPという資格の価値は、目の前の現場やお客様がVMwareを使っているかどうかで大きく変わります。使っていないなら、無理に取る必要はありません。使っているなら、そこで初めて検討すればいい。それくらいの距離感が、私の本音です。

Broadcom買収のあと制度も動いています。もし取るなら、名称や試験コードは必ず公式で確認してください。そして資格は、あくまで掛け合わせの一枚です。実務の裏付けがあって初めて効く、という前提は変わりません。

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本記事の制度・ライセンス・試験コードに関する記述は、2026年時点の公開情報をもとにした目安であり、Broadcom/VMwareの最新の公式情報が優先されます。特定の資格取得や製品採用を勧めるものではありません。認定の要件や試験コードは変更される可能性があるため、受験前に必ず公式ページで最新情報を確認してください。

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