AIの話をするコンサルやビジネスパーソンは、本当に増えました。私も、その一人です。でも最近、ふと思ったんです。「語ってはいるけど、自分で触ってるかな?」と。
そこで週末に、完全に趣味で、Claude(AI)を使って3Dプリンター用のデータ(STLファイル)を作って、実際に印刷するところまでやってみました。今日は、その体験から感じたことを、正直に書いてみます。あくまで、私の一例として読んでください。
非エンジニアの私でも、AIで「形」になった
まずお断りすると、私は3Dエンジニアでも、専門家でもありません。持っているのは、初心者向けのプリンターが一台だけ。それでも、作りたいものをClaudeに相談しながら、少しずつ設計データ(STL)の形にしていけました。
今回作ったのは、連結すると箱の中の歯車が噛み合い、ハンドルをひとつ回すと全部が動く「連結遊園地」です。箱ごとにメリーゴーランドや観覧車が乗っていて、つなげていくほど、自分だけの遊園地になっていく。アイデアが画面の中でどんどん形になっていくのは、素直に面白かったです。
でも、いちばんの学びは「一発では、まったく動かなかった」こと
面白かったのは、ここから先です。正直に言うと、一発では、まったく動きませんでした。画面のプレビューでは完璧に見えたのに、実際に印刷して手に取ったら、歯車が箱の壁に干渉して回らない。そもそも、うまく組み立てられない。「あれ、話が違うぞ」と。
そこで、印刷したパーツをいじりながら、「箱をパズルみたいに分割したらいいんじゃないか?」と自分で気づいて、AIに投げてみました。作り直してもらったら、今度はバッチリ回った。さらに触っていると、「このジョイント、細くて折れそうだな」とも気づいて、そこも補強してもらいました。
どれも、画面を眺めているだけでは、絶対に気づけなかったことです。手を動かして、つまずいて、直して。そうやって初めて、設計が「本物」になっていきました。AIの解像度は、語っているだけでは上がらない。自分の手で触ってみて、一気に上がる。これは、仕事でAIを使うときにも、まったく同じだと感じました。
これは、AIに始まった話じゃない(前職での記憶)
実は、「まず自分で触る」という感覚は、AIが来る前からずっと大事にしてきたものです。思い出すのは、前職のSIer時代に、初めてOCI(Oracle Cloud Infrastructure)の案件を一人で完遂したときのこと。「クラウド案件をやりたい」と手を挙げたら、この案件が釣れました。
そして受注したその日に、私は参考書を買って、自前でOCI環境を構築し、ネットワークの初期設定まで済ませ、その上に、お客様が作りたいと言っていたファイルサーバまで立ててしまいました。つまり、キックオフの時点で、技術的なハードルは、ぜんぶ自分の手でクリアしてあった。だからこそ、お客様への要件ヒアリングも、地に足のついた、自信を持ってやれるものになりました。
正直に言うと、新卒でコンサルに入って、続けていく人に足りないのは、こういう「泥臭いキャッチアップ」だと思っています。かっこいいフレームワークより、まず自分で環境を立てて、触ってみる。その一手間が、そのあとの説得力を、まるごと変えるんです。
「AIを語るコンサル」は多い。でも。
今、AIを語るコンサルやビジネスパーソンは、本当にたくさんいます。それ自体はいいことです。でも正直に言うと、「語ってはいるけど、自分では触っていない」人も、少なくない気がしています。
資料の中のAIと、自分の手で動かしたAIは、解像度がまるで違います。そして、話していると、その差は不思議と伝わってしまう。触っている人の言葉には、重みがあるんです。
結局、信頼は「手を動かした人」に集まる
以前、地味な基礎の積み重ねが信頼を作る、という話を書きました。これも、根っこは同じだと思っています。かっこよく語ることより、自分で泥臭く触ってみること。そして、つまずくこと。
歯車が回らなくて、箱を作り直して、やっと動いた。あの小さな「実際にやってみた」の積み重ねが、信頼につながる。OCIの案件も、3Dプリンターの遊園地も、スケールはまるで違いますが、「まず自分で触った」という意味では、私の中では地続きです。
まとめ:語る前に、まず触る
まとめると、AIの時代だからこそ、「語るより、まず自分で触る」が効くと感じています。専門外でも、AIを使えば、驚くほど手前まで行ける。でも、本当に大事なことは、たいてい、手を動かして、つまずいた先にある。
その一次体験こそが、これからのビジネスパーソンの信頼の源になると思っています。えらそうに書きましたが、これも自分への戒めです。次は何を作ろうかなと、わりと本気で考えています。
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